ヘラクレスが行く!
堂山会長
株式会社システム ディ
代表取締役会長兼社長
堂山 道生氏
システムディロゴ
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学園・フィットネスクラブ・福祉施設など業種に特化したパッケージソフトの開発、販売とシステムの運用サービス


御社では「業種」に特化したパッケージソフトを開発されているそうですね。
 弊社では創業直後、国産初の本格的なパソコンが登場した1984年以来、業種に特化したパッケージソフトの開発に取組んできました。
 情報システムに対するユーザーの期待は、かつては業務の省力化や合理化が主なものでしたが、昨今ではそれにとどまらず事業の変革や業務プロセスの改善を通して業績の向上や活性化を求めるユーザーが増えつつあります。
 このような進化したユーザーニーズに応えられるのが、業種固有の課題をシステム化した弊社の業種特化パッケージソフトだと自負しています。
展開しておられる業種特化ソフトビジネスの現状は?
 主力の学園向けソフト事業は、先ず学校法人会計管理から始めました。公益法人である私立大学の会計処理は民間企業のそれとは異なり、かなり複雑な仕組みなので苦労しました。
 しかし、20年経った今では、履修登録や成績管理、さらには少子化で益々需要の高まっている学生募集・入試システム等をパッケージソフト化し、さらにWebサービスシステムで、教職員・学生だけではなく広く学外にも情報提供して産学連携の種
まきをしたり、地域住民のみなさまの生涯教育を支援したり…と、学園全体の知的活性化をはかり、学園の魅力づくりをお手伝いできるトータルシステムとなっています。
堂山会長
 おかげさまで、715校(2006年9月末)の導入実績があり、毎年40校程度新規ユーザーが増えています。
 もう一つの柱であるウェルネスソリューション事業の「ハローシステムシリーズ」では、フィットネスクラブの会員・会費管理や施設管理等をコア機能として、会員の方が職場や家庭でもトレーニングできるようエクササイズプログラムを提供するWebサービスシステムです。
 これは体脂肪率や基礎代謝量を測って食事管理、栄養管理できる「体組成形管理システム」など高い評価を得て、中高年の方々の健康への意識の高まりを追い風にしてすでに375施設(2006年9月末)に導入しています。
 現在の事業の柱はこの学園向けソフトビジネスと、フィットネスクラブやスポーツジム等のウェルネス業界を対象とした事業ですが、3年前から福祉施設向け、食品流通業向け、文化産業・観光産業向けのパッケージビジネスに順次取組んでいます。
 「e−すまいる」という福祉関連のシステムは、昨年12月にリリースしたばかりですが、障害者施設やケアセンターなどを中心に、10ユーザーに採用していただいています。
 新予防給付制度に象徴されるように、国の考え方が「要介護になってからのケア」から「要介護にならないための予防ケア」へとシフトしている状況を鑑み、日常からの健康増進をお手伝いできるシステムも開発しました。
 さらに、4番目の事業として今年8月には食品流通業向けのパッケージソフトもリリースする予定です。また、今現在はオーダーメイドで文化・観光産業向けの「Webサイト構築」事業を行っていますが、この経験を生かして近い将来パッケージ化する予定です。
なぜ、学校運営に的を絞ったソフトをつくろうと考えたのでしょうか?
堂山会長

 創業直後に受注した案件が、学校法人向けの会計ソフトだったことがきっかけですが、創業前の1977年頃、大学の設立にかかわった経験がヒントを与えてくれました。

 他の業界に比べて情報化が遅れていた学校法人で、かつシステム化の難しい学校法人会計だったので、完成させれば需要はあるはずと確信し2年間の開発を経てリリースしました。

 ところが当時のパソコンはメモリー容量がごく小さく、ハードディスクもなかったため、ひと月分のデータを入力するだけでパンク。
 おまけに、一般的なパッケージソフトは10万円程度だったのに対し、弊社のパッケージソフトは180万円もしたんですから、なかなかハードベンダーも認知してくれず、他方でパソコンそのものがまだオモチャ程度にしか評価されてなかったので、学校が導入をためらうのも無理はありません。
 地域振興や産業振興などのコンサルティング業で稼ぎながら、ライトバンにパソコン一式を積んで学校に押しかけるなど、営業に奔走しました。
 ある日、ようやく導入してくださった大学から「ファームバンキング機能を持った学費管理ソフトがほしい」とご要望をいただき、わずか半年で完成させたところ、これが大ヒット。90年代に入ると、大容量のハードディスクが搭載されるなどパソコンの性能がアップし、会計管理システムの導入も進んできました。
ライバル企業は出てこなかったのですか?
 本格的なパソコンが登場した頃から開発を続けてきましたので、お客様からうかがったニーズの量も、それに応えるべく蓄積したノウハウの量も多く、またユーザーの絶対数が圧倒的に多いということが、後発企業に対する大きなアドバンテージになっていると思います。
堂山会長  従って、脅威的なライバル企業はないのですが、日本ではカスタマイズ可能なパッケージソフトの利用率が26%とまだまだ低く、オーダーメイド型のシステムを使っておられるユーザーが未だ大半を占めており、このリプレイス需要に応えるのが課題です。
 オーダーメイドソフトというのは、パッケージソフトよりコストが嵩むうえに、「オーダーなさる側の経験知の範囲内」でしかシステム化されないという限界があります。
 それに対してパッケージソフトは、すでに導入しておられるユーザーから、実際に現場で生じた課題や問題のフィードバックを受け、それを解決できるようあらゆるノウハウが凝集されています。
 つまり、ユーザーが増えれば増えるほど、業務最適化が進み、より高品質なシステムにバージョンアップされ、さらにユーザーが増えていくという発展が期待できるのです。この、好循環スパイラルこそ、弊社のビジネスの特徴であり、強みであるといえるでしょう。
 最初は、単科大学など学生数の少ない学校からの受注が主でしたが、Windows版をリリースした96年頃から、学生数が数万人単位の総合大学にも使っていただけるようになりました。
99年頃から上場を考えておられたそうですね。
 弊社にとって、1996年4月にリリースした「キャンパスプランWindows版」がヒットしたことが、ひとつのターニングポイントだったと思います。売上が4億円を突破するようになりました。
 その年の6月に念願の自社ビルを購入したのですが、首都圏や北海道、沖縄の大学関係者が続々と見学にこられた――どうやら、「京都の会社がWindows用のシステムを出すなんて、大丈夫だろうか?」と、弊社の実態を見極めようとされていたようです。胸を張って新しいクライアントさんにお会いできるような信用力をつけたと感じました。
 数年後、「ナスダック・ジャパン」という新興市場が誕生すると聞いたことで、上場によるステップアップを考えるようになり、大阪証券取引所が主催する勉強会に何度か足を運びました。2001年にはウッドランド(株)から、ウェルネス事業を譲り受けて事業の多角化をはかり、上場申請の準備を進めてきました。
 ところが、ナスダック撤退、相場の下落、取引所のシステムダウンなど、「さぁ、いよいよ!」という時に限ってアクシデントが起こり、延期を繰り返すことに。
 しかし、時間が出来たおかげで、内部体制を整える余裕がもてましたし、事業を横展開することで福祉という新しい柱をつくって上場することができましたので、結果的には良かったのではないでしょうか。
 上場の効果としては、なんといっても社員の意識向上と社会的信用力の増大が大きいですね。ヘラクレスのマークが入った名刺を持っていると、「おめでとうございます」とお声がけいただくこともありますし、営業の場面でも話題になりやすいようです。
 もちろん、ソフトウェアの質も伴ってのこととは思いますが、お取引先からの信用力も格段にアップしたようです。
上場という目標を達成された今、新たな目標は何ですか?
堂山会長  創業時に掲げた「3年で単年度黒字、5年で初期投資の回収」という目標は予定通りに達成し、3年目以降は黒字決算を続けております。また、「10年で自社ビル保有」「20年で社会的企業となる」という目標も昨年上場して達成できました。
 しかし、上場公開は、言わば一つの関門を潜り抜けたという事に過ぎず、これからが新しいフィールドでの勝負になると思っています。
 幸い2本の柱である学園ソリューションビジネスとウェルネスソリューションビジネスは、国公立大学や自治体の公共機関等でも高い評価を受けて驀進中です。さらに、福祉、食品流通、文化・観光分野での新規ソフト開発、リリースして、ソリューションビジネスを展開し、近い将来5本の柱にするというのが当面の新たな目標です。
 そのためにも、弊社のモットーである「アクティブ・インディペンデンス=能動的自立心」を社員一人ひとりが持って、社内外でのコミュニケーションを大切にしながら個々の能力を発揮し、世の中のニーズに応えるソフト開発を進めることが肝心だと考えています。
 ソフト会社は、人の出入りが激しい業界ですが、弊社では新卒採用者の離職率が7%以下と同業他社に比べて格段に低いことは、私にとってうれしいことですね。
 昨年は、私が祇園祭の神事当番に当たっていたのですが、巡行当日は休日にもかかわらず、社員たちが率先して参加してくれました。こうした社員の積極性や人間関係の良さは、私にとって大きな誇りです。
投資家の方に向けてメッセージをお願いします。
 日本は少子高齢化が進んだ成熟型社会になり、弊社が提供している教育・健康・福祉・食品・文化といった分野が益々重要になり、どなたにとっても身近な存在になってきています。一般の方々の情報活用能力も高まり、情報ニーズも多様化してきています。 堂山会長
 これらの進化したユーザーニーズに応えうる弊社のパッケージソフトは、業務の効率化、省力化を実現しつつさらに広く社会一般の方々とインタラクテイブな情報交換を可能とし、事業構成員のモチベーションを高め、その顧客(学生・会員)も増えてユーザーの事業そのものの成長に大きく寄与できるものです。
 つまり、弊社のビジネスモデルは一過性の事業ではなく、年々増加するユーザーとの継続的なお取引によって成り立っており、クライアントユーザーの増加に比例して、業績は着実に向上しています。
 ソフトウェアとシステムの運用サービスという目に見えない商品を扱っているため、一般投資家の方に弊社の事業を知っていただく機会が少ないのが悩みではありますが、皆さんの生活を支えている分野で、弊社のソフトビジネスがお役に立っていることをご認識いただきご支援いただければ、これほどうれしいことはございません。

堂山会長、貴重なお話どうもありがとうございました。